Jリーグ10月のベストイレブン。チームの目標に抜群の貢献を見せた選手を選定 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi

 正直に言うと今回、大分から何人選ぶかを最も悩んだ。なにせカップ戦も含め10月を無敗で終えたのは、川崎、神戸、大分の3チームだけなのだ。自ずと選手の評価も高くなる。GK高木駿はファインセーブを連発し、ボランチの羽田健人も攻守両面で利いていた。ただ、ここは全体のバランスを見て、渡邉新太、町田也真人、エンリケ・トレヴィザンの3人を選んだ。

 シャドーに入る渡邉は3試合とも力強い仕掛けとゴールに向かう積極性が目立ち、残留争いの直接対決となった10月17日のベガルタ仙台戦でPKを含む2ゴールの活躍を見せた。

 町田は豊富な運動量を武器に、チームの戦術を回す潤滑油の働きをしながら、ゴール前まで飛び込んでいく姿勢が魅力。10月3日のセレッソ大阪戦では決勝ゴールを、23日の徳島戦ではゲーム終盤に値千金の同点ゴールを決めている。

 エンリケ・トレヴィザンはチーム成績が低迷しているために注目度は低いものの、対人能力が高く、競り合いにも強い。大分の試合をすべてチェックしているわけではないが、個の能力で相手FWを封じ込めることが多く、なかなかの優良助っ人なのではないかと見ている。

 首位を快走する川崎では、売り出し中のボランチ橘田健人、谷口彰悟と登里享平の両ベテランのパフォーマンスもよかったが、リーグ戦2戦2発のFWレアンドロ・ダミアン、安定感抜群のセンターバック、ジェジエウのふたりにとどめた。

 2位をキープする横浜F・マリノスは新エースの前田大然が相変わらず好調で、湘南戦、北海道コンサドーレ札幌戦と2試合続けて決勝ゴール。ただ、10月24日のC大阪戦では封じ込まれ、インパクトがやや薄れてしまった。

 一方、岩田智輝は湘南戦、札幌戦でチアゴ・マルチンスのパートナーをほぼ完璧に務め上げると、C大阪戦ではボランチとして先発し、ポリバレントな能力を遺憾なく発揮。今回は3バックの右として選出させてもらった。

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