偶然生まれた「チャンピオンシップ」が川崎と名古屋にもたらしたもの

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 J1首位の川崎フロンターレと同2位の名古屋グランパスが、ホーム&アウェーで2連戦。それは偶然が重なった、異例の試合日程だった。

◆4月29日/J1第22節名古屋vs川崎
◆5月4日/J1第12節川崎vs名古屋

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するクラブが、他クラブに先んじてリーグ戦の試合を消化することは珍しくないが、さすがに同一カードが中4日で立て続けに行なわれるとなると、過去に例がない。

 もともとACLの試合日程に対応するため、変則日程が組まれていたうえに、ACLの日程が新型コロナウイルス感染再拡大の影響によって2カ月ほど後ろにずれ込んだことで、さらなる特別対応を余儀なくされた結果だった。

 しかも両日とも他にJリーグの試合は開催されておらず、ただでさえ注目を集める首位攻防戦は、一層特別感を増した。

 あたかも、J1年間王者を決めるチャンピオンシップが5年ぶりに復活したかのようだった。

 はたして注目の対決は、川崎の2連勝。しかも、2戦合計スコアは7-2である。

2連戦となった「天王山」は川崎フロンターレが連勝を飾った2連戦となった「天王山」は川崎フロンターレが連勝を飾った シーズン序盤にして雌雄を決する"チャンピオンシップ"は、あっけなく昨季王者の圧勝に終わった。名古屋のセンターバック、DF中谷進之介が語る。

「2試合で7失点しているわけだから、今まで(10試合を)無失点で積み上げてきたものが、川崎には通用しなかったということだと思う」

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