今季の浦和は優勝できるか。J1監督就任1年目の成功例と失敗例を検証 (2ページ目)
そう考えると、結果を出せるチームには「継続性」という核が備わっていることがわかる。鹿島を除き、外部から招聘した新監督で1年目にして優勝を成し遂げたのは、2003年に横浜F・マリノスを率いた岡田武史、ただひとりである。
近年の新監督の1年目の成績を見ても、森保、鬼木両監督を除き、結果を出している指揮官は限られる。代表的なのはミハイロ・ペトロヴィッチだろう。2012年に広島から浦和レッズに移ると、独自の攻撃スタイルを浸透させて3位と躍進。北海道コンサドーレ札幌の監督に就任した2018年にも、クラブ史上最高となる4位という成績を残している。
そのほかでは、2017年のユン・ジョンファン(セレッソ大阪/3位)、2018年の城福浩(広島/2位)、2019年のミゲル・アンヘル・ロティーナ(C大阪/5位)あたりが成功例と言える。
一方で、失敗例は枚挙にいとまがない。2012年にガンバ大阪の監督に就任したジョゼ・カルロス・セホーンは早期解任となり、この年チームは降格の憂き目にあった。2014年のC大阪はランコ・ポポヴィッチを招聘するも、結果を出せずに6月に解任。そこから立て直せずに17位で降格した。
2016年には5人の新監督が就任したが、ミルトン・メンデス(柏レイソル)、城福浩(FC東京)、吉田達磨(アルビレックス新潟)、小倉隆史(名古屋グランパス)の4人がシーズン途中で解任されている。ほかにも、2017年の三浦文丈(新潟)、2018年のレヴィー・クルピ(G大阪)、2019年のルイス・カレーラス(サガン鳥栖)、2020年のピーター・クラモフスキー(清水エスパルス)と、新監督が毎年のようにシーズン途中で解任されている。
今季も、J1では5人の新監督が就任している。手倉森誠(ベガルタ仙台)とレヴィー・クルピ(C大阪)はかつて率いたチームへの復帰となる一方、清水は昨季までC大阪を率いたロティーナを招聘し、浦和は徳島ヴォルティスからリカルド・ロドリゲスを迎えた。そのリカルド・ロドリゲスが抜けた徳島にはダニエル・ポヤトスが就任している。
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