2021.04.30

今季の浦和は優勝できるか。J1監督就任1年目の成功例と失敗例を検証

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 現日本代表監督の森保一が初めて監督を務めたのは2012年のこと。

 現役時代を過ごしたサンフレッチェ広島の指揮を執り、いきなりクラブに初優勝をもたらす快挙を成し遂げた。さらに2013年に連覇を成し遂げると、2015年には3度目の優勝を達成。その実績を認められ、ついには代表監督にまで上り詰めている。

リカルド・ロドリゲス新監督のレッズ改革は成功するかリカルド・ロドリゲス新監督のレッズ改革は成功するか  同等の結果を残しているのが、川崎フロンターレを率いる鬼木達だ。2017年、監督就任1年目にしてクラブに初のリーグタイトルをもたらし、翌年に連覇を達成。昨季は3度目の優勝を成し遂げた。さらに今季も開幕から圧倒的な強さを見せつけ、4度目のリーグ優勝に向けて驀進中だ。

 ふたりはともに新人監督として結果を出したが、当然チームを率いて1年目の新監督となる。監督によってチームは様変わりするが、このふたりは前年まで結果を出せなかったチームをポジティブな方向へと導いていった。

 過去の優勝チームを見ていくと、意外にもチームを率いて1年目の新監督が多いことがわかる。

 1993年の初代優勝チームであるヴェルディ川崎を率いたのは松木安太郎。こちらも森保、鬼木両監督と同じ「新人監督」だった。1995年に横浜マリノスに優勝をもたらした早野宏史は途中就任ながらV川崎の3連覇を阻み、現役時代を過ごしたクラブにタイトルをもたらしている。

 ほかにも、1996年のジョアン・カルロス(鹿島アントラーズ)、1997年の桑原隆(ジュビロ磐田/シーズン途中から監督代行として指揮)、1998年のゼ・マリオ(鹿島/シーズン途中に就任)、2000年のトニーニョ・セレーゾ(鹿島)、そして2007年のオズワルド・オリヴェイラ(鹿島)が就任1年目にして優勝を成し遂げている。

 確固たる強化方針を備える鹿島は、監督が代わっても結果を出せるチームであることがあらためて浮かび上がる一方で、森保、鬼木も含めた鹿島以外の5人は、前監督のもとでコーチを務めていた立場。その意味で、スタイルの方向性が劇的に変わったわけではない。