今季の浦和は優勝できるか。J1監督就任1年目の成功例と失敗例を検証 (3ページ目)
かつての監督を復帰させた仙台とC大阪には継続性が見込まれ、徳島も継続性を重視した選考を行なっている。その意味でガラリとチームが変わるのは、浦和と清水の2チームとなるだろう。
両チームともに、ここまでは思うような結果を残せていない(浦和=8位、清水=16位)。だが、浦和にはポジティブな傾向を見ることができた。
3−2で勝利した第11節の大分トリニータ戦では、守備面にやや不安を残した一方で、左SBの山中亮輔のクロスを右SBの西大伍がボレーで叩き込むという、新監督の求めるプレーが色濃く浮かび上がったゴールが生まれている。
◆リカルド新監督「浦和は常に相手を上回って、勝たなければいけない」>>
また、この西をはじめ、明本考浩、小泉佳穂、田中達也と、新戦力が躍動した点も興味深い。とりわけ、全ゴールに絡んだ小泉のインパクトは絶大だった。
「チームが目指しているサッカーの特徴とマッチしているので、評価されてきたと思う」と語る新戦力は、リカルド・ロドリゲス体制下での象徴となる可能性を秘める。
実績十分の西を除けば地味な補強に映ったが(明本と小泉はJ2クラブからの加入)、新監督のスタイルに合うタレントを発掘してきた強化部の慧眼も変化を感じさせるポイントだ。
気鋭のスペイン人指揮官の下で大きく舵を切った浦和だが、その改革の先に新たな「継続性」は生み出されるだろうか。
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