「谷間の世代」と呼ばれた男たち。その輝きは黄金世代に負けていない (2ページ目)
そう語ったのは、谷間の世代のひとりで、現在ベトナムのサイゴンFCでプレーする松井大輔である。39歳にして異国の地で現役を続けること自体が驚きだが、しかしその松井以外にも、谷間の世代にはまだ現役として新シーズンに挑む選手たちがいる。
1981年生まれの阿部勇樹、山瀬功治、駒野友一、茂庭照幸、そして1982年生まれの大久保嘉人、田中達也の6人。そのなかでJ1のピッチに立つのは、ともにアテネ五輪と南アフリカW杯を経験している浦和レッズの阿部と、セレッソ大阪の大久保だ。
まず、2012年にイングランドのレスター・シティから浦和に復帰した阿部にとって、今シーズンは浦和で10年という節目の年にあたる。
ここ2シーズンは負傷などもあって出場時間が減少していたが、今シーズンはリカルド・ロドリゲス新監督の下で心機一転。キャプテンに任命され、強い意気込みで新シーズンに挑むことになる。
一方、J1通算最多得点記録保持者でもある大久保は、今シーズンから古巣のC大阪に復帰。J2東京ヴェルディでプレーした昨シーズンはキャリア初のノーゴールに終わったが、新天地では完全復活を誓う。
これまでJ1で185ゴールを積み上げてきた大久保が、今シーズン中に200ゴール達成をできるかどうかは、セレッソサポーターのみならず、日本中のサッカーファンが注目している。
山瀬と田中のふたりは、今シーズンもJ2のピッチに立つ。
愛媛FCで3シーズン目を迎える山瀬は、昨シーズンも32試合に出場し、チームの主軸として活躍。しかも昨シーズンは9月2日の町田ゼルビア戦で1ゴールを記録し、デビューを飾った2000年から21年連続でゴールを決めるという偉大な記録を更新した。
山瀬はアテネ五輪の予選突破に貢献しながら本大会の舞台に立てず、南アフリカW杯の出場も叶わなかった。しかし、度々大きなケガに悩まされたことを考えれば、あらためて驚異的なキャリアといっていいだろう。
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