2021.02.26

「谷間の世代」と呼ばれた男たち。その輝きは黄金世代に負けていない

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sports Nippon/AFLO

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
がんばれ「谷間の世代」

 かつて日本サッカー界では、1981年・1982年生まれの選手たちを指して、「谷間の世代」と呼ぶ時代があった。主に2004年アテネ五輪に出場した世代の選手たちだ。

 ただし、彼らがそう呼ばれるようになった理由は、彼らだけにあったわけではない。

 そのひとつ前の世代、すなわち1999年のワールドユース選手権(現U−20W杯)で日本サッカー史上最高成績となる準優勝を果たした1979年・1980年生まれの選手たちが「黄金世代」と呼ばれていたため、その比較として「谷間の世代」と呼ばれるようになったのである。

今季はセレッソ大阪でプレーする大久保嘉人 もちろん、黄金世代が刻んだ足跡と比べれば、谷間の世代が刻んだそれは、明らかな違いがあった。

 U−17世界選手権も経験していた黄金世代は、ワールドユース選手権での金字塔以外にも、2000年シドニー五輪では32年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献。その世代には、18歳で1998年W杯に出場していた小野伸二を筆頭に、稲本潤一、高原直泰、中田浩二、本山雅志、小笠原満男、遠藤保仁など、のちに日本代表の中心として活躍した数多くのタレントたちがいた(小野、小笠原、遠藤はシドニー五輪に出場せず)。

 それに対して、U−17世界選手権出場を逃した谷間の世代は、2001年ワールドユース選手権でグループリーグ敗退。さらに、山本昌邦監督の下で挑んだアテネ五輪でも、オーバーエイジを加えながらグループリーグ敗退の屈辱を味わっている。

 しかし、彼らは2010年南アフリカW杯でベスト16入りに貢献し、風向きを変えることに成功。ようやく、晴れの舞台でスポットライトを浴びたのだった。

 あれから10年以上の月日が流れ、そんな谷間の世代たちももうすぐ40歳を迎えようとしている。一般的な選手寿命からすれば、もう引退しているはずの年齢だ。

「僕たちは、あの人たち(黄金世代)には敵わないかもしれないけど、『俺たちもやれるんだ』っていう反骨心を持ち続けながら、ここまでやってきた気がします」