2020.12.20

今季J1、川崎フロンターレ以外で面白いチームはあったか?

  • 岸本勉/PICSPORT、佐野美樹●撮影 photo by Tsutomu Kishimoto/PICSPORT,Sano Miki

 今季J1では、川崎フロンターレが圧倒的な強さを見せつけて、早々にリーグ優勝を決めた。そして、そのサッカーは見ていても「楽しい」と評判だった。プロのクラブとして、まさに今季の川崎は群を抜く存在だったと言えるが、成績は別として、川崎の他にも「いいサッカー」「面白いサッカー」を見せてくれたチームはあったのだろうか。今季Jリーグをくまなく観戦した識者たちに、それぞれの見解を聞いた――。

設問:今季J1で、川崎フロンターレ以外で面白いチームはあったか?

回答:いいえ。

杉山茂樹(スポーツライター)

浦和レッズの両ウイングを生かしたサッカーも悪くなかったが...「面白い」の定義にもよるが、特質すべきサッカーをしたチームは他になかった。今季は川崎フロンターレに終始した1年だった。

 ただ、「面白い」とは言えないが、「悪くない」サッカーをしたチームはある。

 セレッソ大阪はその筆頭だ。4-4-2の布陣をベースにした手堅いサッカーである。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督のサッカーは、スペイン時代から「守備的で地味だ」と言われている。

 だが、攻撃的サッカーがまだ完全に根付いていない日本にあっては、そこまで偏った感はない。ボールを奪う位置は低いほうではない。「攻撃的」と言ってもいいほどだ。

 スタイルが出来上がっているので大崩れしない――監督の力を感じずにはいられないサッカーである。

 マッシモ・フィッカデンティ監督率いる名古屋グランパスのサッカーにも同じことが言える。特段、「面白い」とは言えないが、歓迎すべきスタイルに入る。マテウス、前田直輝の両ウイングを使ったサッカーをベースに、年間を通して安定感のあるサッカーをした。

 リーグ戦10位に終わった浦和レッズをどう評価するか難しいところだが、従来のサッカーより、個人的には、現在のほうが好みだ。汰木康也、マルティノスの両ウイングを生かしたサッカーである。

 高い位置からのプレスを実現しようとすれば、両翼の高い位置にウイングを配置するサッカーが得策であることは自明の理。ドリブルの得意なウインガーが日本で急増している背景を加味すれば、目指すは昨季の横浜F・マリノス、今季の川崎的なサッカーになる。

 この流れに、日本の多くの指導者が感化されてほしいものである。