独自選考Jリーグ月間MVP。エリキ、驚きの覚醒のきっかけは何か (5ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

トリコロール美女。横浜FMのチアリーダーたち>>

布陣変更で覚醒したエリキは問答無用のMVP

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位 エリキ(横浜F・マリノス)
2位 小林悠(川崎フロンターレ)
3位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)
4位 古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
5位 三竿雄斗(大分トリニータ)

 9月に8試合を戦った横浜FMで、6試合連続計8ゴールを叩き出したのが、加入2年目のエリキだ。覚醒のきっかけは、アンジェ・ポステコグルー監督が4バックから3バック(3-4-2-1)に舵を切ったこと。

 それまで1トップやウイングでプレーしていたエリキは、布陣変更2戦目にあたるC大阪戦から2シャドーの一角で先発。すると左右両足、頭を使い分けてゴールを重ね、4連勝の原動力となった。月間MVPは問答無用。

 9月に6連勝を記録して首位を独走する川崎では、複数選手を選出したくなるほど試合ごとに異なる選手が活躍。そのなか、ひと際目立っていたのがベテラン小林悠だった。第15節の神戸戦からは2つのPKを含む3試合連続ゴール。

 第18節横浜FC戦では途中出場で旗手の2ゴールをアシスト。つづく第19節湘南戦は小林らしいヘディングシュートで決勝点をマーク。振り返れば、勝負どころで必ず小林がいた。

 8月下旬からの7連勝で順位を大きく浮上させた鹿島では、エースの地位を確立したエヴェラウドが際立っていた。9月も6試合すべてにスタメン出場をつづけ、3ゴール1アシストの活躍ぶり。とりわけ第16節清水戦の先制ゴールは、エヴェラウドのクオリティを証明する絶品技。彼の離脱がなければ、鹿島が上位に食い込む可能性は高い。

 一方、不振にあえいだチームからも選出に値する選手がいる。9月に5ゴール3アシストをマークした神戸の古橋亨梧だ。昨季から成長をつづける古橋は、イニエスタとの共演でブレイク。第18節の鳥栖戦は、それを象徴するようなふたりのコンビネーションから2ゴールを決め、イニエスタのゴールもアシストした。国内屈指のアタッカーに飛躍を遂げた。

 9月の7試合で勝ち点13ポイントを稼いで成績を浮上させた大分では、3試合連続ゴールを決めた田中達也と同様に、勝利に大きく貢献した三竿雄斗の充実ぶりが見逃せない。鹿島の三竿健斗の兄は夏場でトップフォームを維持し、3バックの左から多彩なパターンで攻撃参加。第16節の仙台戦ではアシストも記録した。安定感は抜群だ。

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