独自選考Jリーグ月間MVP。エリキ、驚きの覚醒のきっかけは何か (6ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

川崎のなかでフル稼働の守田が攻守に抜群の働き

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 守田英正(川崎フロンターレ)
2位 古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
3位 アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)
4位 田中達也(大分トリニータ)
5位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)

 月間MVPの選考も、今季のJ1に限っては、川崎の選手を順番に挙げていくものになりつつある。

 9月の川崎も、ひとつの引き分けすらなく、6戦全勝。ルヴァンカップを含めれば、7戦全勝だった。当然、個々の選手の出来が悪いはずはなく、誰を選んだらいいのか、毎月悩ましい。

 そのなか、アンカーというポジションで攻守に抜群の働きを見せた、守田英正を挙げたい。開幕当初は控えの位置づけだったが、自らポジションを奪い取り、9月はフル稼働。好調なチームの波に乗り遅れることなく、のし上がってきた。ここに来て川崎の強さを、さらにギアアップさせている。

 選手個々のパフォーマンスに目を向けると、川崎以上に強いインパクトを残したのは、神戸勢。なかでも出色の出来だったのは古橋だ。開幕当初から調子のよさは目立っていたが、9月に入り、目に見えてゴールという結果もついてきた。過密日程ながら夏場に調子を落とすことなく、充実のシーズンを送っている。

 また、同じく神戸からイニエスタも加えたい。チームの成績はもうひとつで監督交代のドタバタもあったが、新監督就任後は3連勝。戦列復帰したイニエスタも、別次元のプレーを見せている。広い視野と豊富なアイディア、それらをピッチ上に落とし込む高い技術。うならされるプレーは数多い。

 ほかにもFC東京で奮闘が目立つレアンドロ、柏戦でオルンガ封じを見せた広島の荒木隼人など、何人か候補はいたが、調子が上がっているクラブから、残る2名を選んだ。

 田中達也は、スピードを生かした思い切りのいい突破力で、大分の攻撃に迫力や決定力を加えている。ケガから復帰したばかりの野村直輝(こちらはまだ出場時間が短いので、来月以降に期待だ)と共に、攻撃の推進役となっている。

 エヴェラウドは当初から能力の高さはうかがえたが、それがようやくチームにフィットしてきた印象だ。連勝こそストップしたが、鹿島復調への貢献度は高い。

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