「湘南スタイル」はどこへ?
今季未勝利のベルマーレが苦戦する要因 (3ページ目)
ベテランの石原の存在も大きかった。今季12年ぶりに湘南に復帰したストライカーは、後半途中からピッチに立つと、ゴール前で絶妙なポジショニングを取り、松田天馬のゴールをお膳立て。自らも鈴木のCKを合わせてゴールを記録し、短時間で2得点に絡む活躍を見せた。
「前でタメが作れていなかったので、入った時には時間を作ろうと思っていました」
自身が振り返ったように、石原がピッチに立ったことで縦パスが入るようになり、徐々に湘南に勢いが生まれていった。
もっとも石原は、チームとしての攻撃がまだまだ未完成であることも指摘している。
「やっぱりビルドアップのところで動きが少ない。1人だけではなくて2人、3人が連動して動いていかないといけないと思います。そこは選手ひとりひとりが同じ方向を向いて、何をするのかということを共有しないと。探りながらやるのではなくて、もう少し明確にしていきたいなと思っています」
ボールを大事にする意識が高まる一方で、持ち前のスピード感が失われては意味がない。イメージの共有と、スムーズな連動の実現には、まだまだ時間がかかるかもしれない。
迷いを断ち切り、スピード感を取り戻せるか。ここが復調のカギを握るのではないか。
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