2020.07.20

「湘南スタイル」はどこへ?
今季未勝利のベルマーレが苦戦する要因

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

◆「コロナ後改!今季J1全18チーム順位予想」はこちら>>>

 リーグ再開後3連敗中の柏レイソルと、今季未勝利の湘南ベルマーレ。

 目に見える結果が欲しい両者の置かれた状況を考えれば、手堅い試合になるかと思われた。だが、予想はいい意味で裏切られ、多くのゴールが生まれるエキサイティングなゲームとなった。

オルンガに2ゴールを奪われた湘南ディフェンス もちろん、手応えを掴んだのは、勝った柏のほうだろう。

開幕戦以降、音なしだったエースのオルンガが2ゴールを奪えば、新戦力の仲間隼斗が移籍後初ゴールをマーク。この仲間を含め、これまで出番の少なかった選手たちが数多くピッチに立ち、それぞれが勝利に貢献するパフォーマンスを示したのだから、ネルシーニョ監督にとっても大満足の試合だっただろう。

「出場機会に飢えていた選手たちがしっかりとパーソナリティを出して、いいテンポでゲームに入ってくれた。一丸となっていい準備をしてくれたことが、勝利につながったと思う。この勝利が今後の戦いを進めていくうえで、勢いをもたらしてくれるだろう」

 戦力の台頭を促し、連敗の悪い流れも断ち切った。柏にとっては勝ち点3以上の成果を手にした一戦となったに違いない。

 一方の湘南にとっては、「またしても」の想いが強いだろう。

 5試合を終えて1分4敗。4つの負けのうち3つが、2−3のスコアでの敗戦となった。点は獲れるが、守りがもろい。そんな状況が浮き彫りとなっている。

 湘南の試合を取材するのは、これが今季2試合目だった。最初は浦和レッズとの開幕戦である。この試合も2−3で敗れたが、内容的にはむしろ勝者を上回っていた。スピーディな展開でサイドを切り裂き、出足の速さや局面での争いでも力強さを見せつけた。

 昨季、ぎりぎりで残留したチームは、開幕前に主力の多くが流出し、苦戦が予想されていた。しかし、そんな不安を払拭するような躍動感あふれるサッカーを見せつけたのだ。それは、前任者の退任で消えかけた”湘南スタイル”の復活を感じさせるものだった。