小林悠がどん底だった2012年。「1年で5年分」成長したきっかけの言葉 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


「時間があるということと、サッカー選手である自分の言葉を発信することで、今32歳ですけど、子どもたちやサッカーをやっている少年・少女の保護者たちにも参考になればなって。自分自身、努力はしてきましたけど、いろいろな運というか紆余曲折があって、こうしてプロサッカー選手になれたので」

 足跡を辿れば、中学生の時にはJクラブのセレクションに合格できず、麻布大学附属渕野辺高校(現・麻布大学附属高校)へと進んだ。その後、進学した拓殖大学では1部ではなく2部でプレー。川崎への加入が決まった直後に、右ひざ前十字じん帯を損傷する大ケガを負ったこともあった。

 2017年にはJ1得点王に輝き、2度のJ1優勝を経験。昨今みせる活躍の一方で、苦悩した時期とはいつだったのだろうか。

「取材を受ける前に、自分にとって苦しい時期っていつだったのかなって考えたんですよね。やっぱり大学生時代のケガかな、とも思ったんです。

 でも、今思うと、ケガは治るもの。そう考えると、たいしたことはなかったのかなとも思うんです。だから、自分がどん底を経験したのはやっぱり......2012年になるんですかね」

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