FC岐阜サポーターが無償で作成。横断幕が繋いだALS患者との絆 (2ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 社長退任後はひとりのサポーターとしてスタジアムに足を運び、サポーターとの交流は続いていました。そんな私に、日本ALS協会岐阜県支部の支部長就任の打診が来ました。当時の岐阜県支部は(今もですが)、先代の支部長さんの縁故者が完全手弁当で活動しており、マンパワー的限界もあり他の都道府県支部と比べて、活動が活発とは言えない状況でした。

 引き受ける以上は活動を活性化したいと思い、私は他の都道府県支部の活動状況を調べました。すると、患者やご家族の交流会を積極的に行なっていることがわかりました。そして、交流会の記念撮影に『ALS協会○○支部』と書いてある横断幕を掲げている支部がたくさんありました。

 それを見た時、私はあることを閃きました。横断幕作りと言えばサポーターがプロである、FC岐阜サポーターにALS協会岐阜県支部の横断幕作りを頼めれば、サポーターと私以外のALS患者との絆も生まれるのではないかと。

 私は早速SNSで次のように呼びかけました。
 【FC岐阜サポーターへ横断幕作成依頼‼️】

 現在、私は日本ALS協会岐阜県支部長を務めています。他県の支部は患者が集まる際、横断幕と記念撮影していますが、岐阜県支部にはありません。

 どなたか1m×6m程度の「日本ALS協会岐阜県支部」と書いた横断幕を作ってください! 材料費は負担します。

 我こそという方はご連絡ください。

 この呼びかけに何人ものサポーターが手を挙げてくださいましたが、結局1番乗りでご連絡頂いた方にお願いすることにしました。

 真っ先に手を挙げてくれたKさんとは過去に浅からぬ関係がありました。頂いたメールを抜粋してご紹介します。

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