古橋亨梧「プロ入りを諦める」から飛躍。ビジャから盗んだプレーを生かす (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by SportsPressJP/AFLO

 目標に描くのは、J1での"ふた桁ゴール・ふた桁アシスト"だ。昨年の活躍を考えれば、今シーズンは当然、一段とマークが厳しくなるはずで、決して簡単な数字ではない。

 それでも、本人はあえて強い言葉で、自身にプレッシャーをかける。プロへの道を切り拓いた、あの時のように。

「大学4年生の時、監督の計らいもあって、湘南ベルマーレや松本山雅FC、モンテディオ山形、水戸ホーリーホックなどの練習に参加したんですが、なかなか決まらなくて......。そのプレッシャーもあって、練習参加のたびに、ホテルに戻って吐いていたんです(苦笑)。

 そんな状態だから(プロ入りは)もう諦めようかなって思って、親にも伝えたら『やめたいなら、やめればいいよ』とあっさり。でもそのあとに、ぼそっと『ま、今までやってきた努力は無駄になるからね』と言われて、自分に後悔しないように、最後までやれることは全部やって、答えを出そうと思い直しました。結果、Jクラブへの練習参加を続けていたら、最後の最後でFC岐阜からオファーいただくことができました」

 苦しみ、もがいて、やっとのことで乗り越えた先にあった"新しい世界"。その楽しさを知っているから、今年も目の前に立ちはだかる壁には、真っ向から勝負を挑む。

「目の前にできた壁は、壊すか、越えないと次には進めない。人はその繰り返しの中で、成長していけるんだと思っています。この先、壁はどんどん高く、大きくなっていくかもしれないけど、ぶつかって、壊して、乗り越えていける自分でいたいと思っています。

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