浦和レッズ、開幕戦勝利も不安になる内容。「引き分けが妥当だった」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「内容的には、引き分けが妥当だったかなと」

 大槻毅監督のコメントは、勝ったチームの指揮官にはふさわしくないものだった。どちらかというと、負けたチームの監督が自チームへの称賛と、半分は負け惜しみで語る時によく用いられる言葉だからだ。

勝っても大槻監督の表情は冴えなかった勝っても大槻監督の表情は冴えなかった それでも、勝者にふさわしくないその言葉も、さしたる違和感はない。「よくぞ、勝てた」と感じていたから、むしろ納得のいくものだった。

 2020シーズンのJ1リーグが幕を開けた。他試合に先駆けて2月22日に行なわれたのが、湘南ベルマーレと浦和レッズの一戦だ。

 新たなシーズンの最初のゲームというものは、観る側にとっても、やる側にとっても、期待と不安が入り混じるものだろう。新戦力はフィットするのか、新たなやり方は機能するのか。今年に限って言えば、VARへの対応力も問われるものとなった。

 よりポジティブな印象を与えたのは、敗れた湘南のほうだった。主力の大量流出によってチームは半壊状態にあったが、その影響を感じさせない機能的なサッカーを見せた。

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