香川真司が始めた教室。人間力や言語化能力をサッカーから伸ばす方法とは? (7ページ目)

  • 木之下潤●取材・文 text by Kinoshita Jun
  • photo by Getty Images

 高濱はこう話した。

Hanaspoについて説明した高濱正伸(右)と新山智也(左) photo by Kinoshita JunHanaspoについて説明した高濱正伸(右)と新山智也(左) photo by Kinoshita Jun「スポーツや音楽をずっと続けてきた人はスポーツバカとか、音楽バカとか呼ばれたりします。そういう人たちは小さい頃から朝から晩までスポーツ漬け、音楽漬けの毎日を送ってきています。現状だと、それで何が不幸になるか? それはセカンドキャリアで困ることです。でも、私はスポーツや音楽に没頭してきた人たちは、能力が高いと思っています。

 何が問題かといえば、地頭レベルは高いのに言葉にする練習をしていないのです。だから、プロ選手だった人が解説者になった途端に「え?」と感じることが多々起こるんです。能力があって、若い頃から言葉にする練習をしていれば、古田敦也さんや為末大さんのようになれるはずなんです。新しい教育では、言語化も取り組むべき中心課題だと考えています。このHanaspoを通じて、子どもたち全員が『サッカーをしたことによって言葉の力が伸びました』という状況をつくっていきたい」

 ちなみに、Hanaspoでは「ヒーローインタビュー」というオリジナルカリキュラムがあり、毎回の練習でいちばん楽しかったことなどを子ども同士でインタビューして聞いたり、練習カードに書いたりする言語化メニューがある。

 香川と高濱がつくる新しいサッカー教育プログラムが、今度どんな人材を生んでいくのか期待が膨らむ。

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