あまりにもショッキングな敗戦。
それでもレッズの戦いは終わらない (2ページ目)
あるいは、韓国勢。
アジアのなかでは、戦術的に整ったチームが多いが、中国勢とは対照的に、こちらは外国人助っ人がパンチ不足。韓国人選手にしても、日本同様、代表の主力クラスはヨーロッパへ渡るケースも多く、個の威力という面では怖さに欠けた。
浦和が東アジアを勝ち上がる過程において、常に実力で相手を上回っていたわけではないとしても、少なくとも絶望的な力の差を見せつけられることはなかった。
だが、槙野が言うように、アル・ヒラルはあらゆる点でレベルが違った。
現役ペルー代表のMFアンドレ・カリージョをはじめとする、強力な外国人助っ人は中国勢にも引けを取らない。また、サウジアラビア人選手にしても、サウジアラビア代表の主力がズラリと並び、技術やスピードはアジアトップレベルだった。
今年1月のアジアカップでも、日本はサウジと対戦し、1-0で勝利したものの、内容的には押されまくった。今回のアル・ヒラルの先発メンバーのうち、先制ゴールを決めたMFサレム・アルドサリをはじめ、5人がその時の試合にも先発出場している。つまり、アル・ヒラルは実質、サウジアラビア代表に外国人選手を加えたチームと言っていい。
そのうえ、前線からのプレスでサイドに追い込み、素早いスライドでボールを奪い取る守備といい、巧みなポジショニングでボールを動かす攻撃といい、戦術的にもかなり熟成されていた。DF鈴木大輔が振り返る。
「今までにも個(の力)があるチームはあったが、アル・ヒラルは11人の総合力がすごく高い。個で(マークを)はがす以外の選手の動きも、長く(同じチームで)プレーしいているだけあって、タイミングが合っていた」
テンポよくボールを動かし、1対1の状況を作ったら、目の前の相手をはがして仕掛ける。浦和の選手が慌ててボールに集まってくれば、フリーの選手へとパス。「後半、カリージョをファールでしか止められなくなり、後手に回って崩された」とは、DF岩波拓也の弁である。
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