あまりにもショッキングな敗戦。それでもレッズの戦いは終わらない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

  手も足も出なかった。こちらの出来が悪かったというより、とにかく相手が強かった。負け惜しみを言うことすら難しい。

3度目のアジア制覇を目指した浦和レッズは、AFCチャンピオンズリーグ決勝でアル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦。アウェーでの第1戦を0-1で落としていた浦和は、ホームでの第2戦で逆転優勝を狙ったが、0-2であえなく返り討ちに遭った。

 ヨーロッパや南米のチームが相手ならともかく、アジア勢を相手に、ショッキングなまでの完敗である。

ACL決勝で完敗を喫した浦和レッズACL決勝で完敗を喫した浦和レッズ アル・ヒラルが勝利した第1戦を見る限り、両者の実力差は明らかだった。浦和は再三の大ピンチをしのぎ、どうにか最少失点で食い止めたが、試合内容はアル・ヒラルの圧倒的優勢だった。

 だが、ホーム&アウェーのセオリーに照らせば、1点のビハインドでホームでの第2戦に臨む状況は、それほど悪いものではない。ホームに戻れば、埼玉スタジアムの大声援という後押しもある。希望的観測も含め、アウェーゲームほど一方的な展開にはならないのではないか。そんな期待は、少なからずあった。

 浦和にも勝機はある、はずだった。

 しかし、現実は違った。浦和のホームゲームになってもなお、大きな流れが変わることはなかった。アル・ヒラルの猛攻にさらされ続けたDF槙野智章が語る。

「第1戦をやってみて、自分たちができたこと、できなかったことを整理し、準備してきた。出すものはしっかり出したが、技術、フィジカル、すべてにおいてかなり上回られた。ここまで多くのチームと対戦してきたが、なかなかそういうことはなかった。コテンパンにやられてしまった」

 たとえば、中国勢。

 現役ブラジル代表をはじめとする、"外国人助っ人"の力はたしかに脅威だが、言い換えれば、怖いのはそれだけ。周りの中国人選手の能力はさほど高くないうえ、戦術的にも外国人頼みの傾向が強く、一発の怖さはあるものの、それさえ気をつければ、ある意味で戦いやすいチームが多かった。

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