2019.12.01

「鹿島らしさ」を見せずにV消滅。
満身創痍のツケが回ってきた

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 J1リーグ第33節。優勝の可能性を残す3位の鹿島アントラーズは、前節J1残留を決めたヴィッセル神戸をホームに迎えた。

 優勝に望みをつなぐには勝ち点3が必要な鹿島は、犬飼智也が5試合ぶりに復帰。一方の神戸は前節から先発7人を入れ替え、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャはベンチ外。日本代表の古橋享梧はベンチスタートとなった。

 鹿島は前半8分、内田篤人の右クロスにセルジーニョがヘディング・シュートを放つも左にそれる。先制点を奪ったのは神戸だった。前半14分、大崎玲央の縦パスに安井拓也が足を伸ばすと、そのこぼれ球に反応した藤本憲明が右足でゴール左に流し込み、大分から移籍後初ゴールを決める。さらに神戸は前半28分、山口蛍と藤本で左サイドを崩し、最後は藤本のクロスを郷家友太が決めて追加点を挙げた。

ホーム最終戦でヴィッセル神戸に敗れ、肩を落とす鹿島アントラーズの選手たち 勝ち点3が必要な鹿島も、前半40分、永木亮太の右フリーキックのこぼれ球を土居聖真が拾って決め、1点を返して前半を終了した。

 後半に入ると、鹿島が何度かチャンスを作るが、ゴールに結びつかない。後半18分には内田篤人、伊藤翔に代えてレアンドロ、上田綺世を投入して勝負に出る。しかし、大きく流れを変えることができず、後半29分には名古新太郎に代えて白崎凌兵を入れる。大岩剛監督は早めに手を打ったものの、決定機を作れないまま試合は終盤を迎える。

 すると後半43分、神戸は左サイドでボールを受けたルーカス・ポドルスキが絶妙なグランダーのクロスをゴール前に。これをファーサイドで小川慶治朗が押し込み、ダメ押しの3点目となった。試合は3-1で神戸が勝ち、鹿島の優勝の可能性は消えた。

 この試合に限って言えば、どちらが優勝を争っているのかわからないような内容だった。鹿島は早めに選手交代をして勝負に出たもののうまく機能せず、神戸をゴール前に釘付けにする時間帯さえなかった。”試合巧者”“勝ち方を知っているチーム”と言われる鹿島らしさは見られなかった。

 今季を振り返れば、開幕からケガ人が続出。それも何とかやり繰りしながら、Jリーグとアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ってきた。