【Jリーグ】横浜F・マリノスの苦悩の根深さを分析 相次ぐ指揮官交代、エースの反乱、そして最下位へ...
Jリーグ創設前は日産自動車サッカー部として、以降はマリノスとして日本サッカー界をリードしてきた横浜F・マリノス。そんな名門が今季はながらく降格圏に沈み、一時は最下位にも。悩めるトリコロールの問題を、長く密着取材を続ける記者が明かす──。
西野努スポーティングダイレクター(SD)はその壇上で、自らが選任した指揮官の進退について問われると、「アタッキングフットボールの体現には、まだ程遠いところにいる」と認めつつも、即座の解任については否定した。
「言葉に対して力がなくなったら終わりだと思っています。監督の言葉に誰も反応しなくなったら、もう終わりなんですよね。なので、そういった時が来たら仕方ないと思いますけど、今はまだ全然そういう状況だとは思っていない。みんなが少しずつ努力することでチームが良くなっていくと思っているので、そこは強調して伝えたいですね」
だが、すでに求心力は失われていた。ホーランド監督はチェルシーやイングランド代表での実績、経験について雄弁に語ったが、状況を改善するための具体策が一向に出てこない。それでも試合は待ってくれず、プレーすればするだけ状況は悪化していく。チーム内の信頼関係にヒビが入り始め、練習にも重苦しい雰囲気が漂い始めていた。
著名なアシスタントコーチ、スティーブ・ホーランドも監督としては... photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る そうなれば「解任」も、やむなしだろう。「今はまだ全然そういう状況だとは思っていない」という西野SDの発言から約1週間しか経っていなかった4月18日、マリノスはホーランド監督の解任を正式発表。後任にはアシスタントコーチを務めていたパトリック・キスノーボを据え、正式な監督不在という異例の状態でACLEファイナルズを戦うために、サウジアラビアへ飛ぶことになった。
もともとホーランド監督に関しては、"監督"としての経験不足が懸念材料として指摘されていた。結果的にそれが最大の弱点であったことは明白で、西野SDも「今年最初のプロジェクトのひとつの失敗と認めざるをえない」と話している。
確かに経歴は華やかだ。チェルシー時代にはフース・ヒディンクやジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテら錚々たる名将の右腕を務め、プレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグでの優勝経験もある。だが、どれだけ深く関わっていようと最終決裁者は常に"監督"であり、"アシスタントコーチ"ではない。ホーランド監督には重要な決断を下した経験が圧倒的に不足していて、それはマリノスの監督としてチームを導くにあたって極めて大きな障害になっていた。
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