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攻守に消極的なジュビロ磐田。
2度目のJ2降格はもはや免れないか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 攻撃面でも同じような傾向、すなわち、消極的な姿勢は見て取れた。

 一か八かの縦パスを打ち込むくらいなら、相手の守備に穴が開くまで、サイドを変えながらじっくりとボールを動かす。フベロ監督が志向するサッカーからは、そんな狙いがうかがえる。しかし、結局は攻撃が縦にテンポアップしないまま、サイドからクロスを入れるしかなくなることが多かった。

 新戦力のFWルキアンに加え、FW川又堅碁でもいれば、ゴール前で何とかしてくれるかもしれないが、川又をケガで欠く現状では、クロスからの得点も期待はしにくい。

 つまり、いい守備から速攻につなげられる可能性が低く、そのうえ、遅攻になったところで決め手に欠く。最近5試合のうち、4試合が完封負けも不思議ではない。

「自分たち前線の選手が、前半に決め切れなかったところが敗因だと思う」

 J1出場わずか2試合目にして、トップ下でハツラツとしたプレーを見せた21歳の藤川に、そこまで言わせてしまう現状は寂しすぎる。

 磐田は次節、サガン鳥栖との直接対決を迎える。これに勝ったところで、大きく事態が好転するわけではないが、とにもかくにも勝たないことには、首の皮一枚すらもつながらない。

 降格危機にあるクラブを救うべく、今季途中に加わった今野は、「最後まであきらめちゃいけない。状況は苦しいが、奇跡を信じてやるしかない」と、悲壮な決意を口にする。

 磐田の背後に伸びる"魔の手"は、もはやその気配を感じるところまで近づいている。

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