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攻守に消極的なジュビロ磐田。
2度目のJ2降格はもはや免れないか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 だが、磐田が何度か訪れたゴールチャンスを生かせずにいると、次第に横浜FMが落ち着きを取り戻す。フベロ監督のコメントにもあったように、磐田が「いい出来だった」のは「前半30分まで」。すなわち、横浜FMに先制点を許すまでのことである。

 試合の流れを大きく変え、趨勢(すうせい)を決めた横浜FMの先制点は、結果的に磐田のオウンゴールではあった。だが、ゴールキックから何本ものショートパスをつながれ、きれいにDFラインの裏を取られてゴールを許している以上、不運で片づけることはできない失点だろう。

 磐田の守備を支える元・日本代表、ボランチのMF今野泰幸が語る。

「F・マリノスはボールを取られないポゼッションだけでなく、(DFラインの)裏にも走ってくる。対処が難しかった」

 そんな失点には伏線があった。

 磐田は横浜FMがボールを持つと、一度自陣にリトリートして、ブロックを作るところから守備を始めた。

 とはいえ、ブロックを作ると言っても、選手はただその場に立っていればいいわけではない。ピッチの横幅は68m、縦幅はハーフウェーラインからペナルティーエリアまでとして36m。このエリアにフィールドプレイヤー10人が立ったところで、当然ピッチ上はスカスカだ。選手はボールを持った相手にプレッシャーをかけるべく、そのつど、距離を詰めなければならない。

 ところが、磐田の選手は相手に寄ってはいくものの、1~2mの距離を取って止まってしまう。しっかりと相手選手に体を寄せ、ボールに向かって足を出していたのは、今野くらいだった。これでは、パス・アンド・ムーブを繰り返す横浜FMの攻撃を防ぐのは難しい。

 この試合をベンチから見ていたキャプテンのDF大井健太郎も、「(積極的にボールを奪おうというより)自分が抜かれたくないという守備になってしまっていた」と話していたが、なかなか勝てないチームゆえ、受け身の気持ちが強くなっているのだろう。

 今野が「守っているだけではダメ。自分たちの攻撃の時間を作らないと、ゼロ(無失点)には抑えられない」と話していたが、まさにそのとおり。とりあえず、誰かがボールの前に立っていれば、簡単に抜かれることはなく、それなりに守ることはできるのだろうが、それでは守備に時間を割かれるばかりで、効果的なカウンターは期待薄である。

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