2019.09.08

横浜FCが13戦負けなしで絶好調。
J1昇格へ気になる若手が台頭している

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 J2の昇格争いが風雲急を告げている。第30節終了時点で、2位から7位までの6チームが勝ち点差3でひしめき合う混戦模様だった。たった1試合で大きく順位が変動する状況になっている。

 第31節。9月7日、ニッパツ三ツ沢球技場では、リーグ戦でここ12試合負けなし(9勝3分け)の大躍進で2位まで順位を上げた横浜FCが、同じく連勝で7位に浮上したヴァンフォーレ甲府を迎え撃っている。1位、2位がJ1自動昇格で、3~6位に昇格プレーオフ出場権が与えられるJ2。J1とJ2ではさまざまな点で天と地の差があるだけに、どちらにとっても”存亡をかけた戦い”と言えた。

 序盤、試合の主導権を握ったのは、”挑戦者”である甲府のほうだった。落ち着いて後ろからボールをつなげ、前線の3人に縦パスを入れながら、そこを拠点に攻撃を繰り出す。じわじわと押し込みながら、両サイドから幾度か攻め上がった。

 しかし、横浜FCは防御線を敷いて待ち構えていた。

 8分だった。ディフェンスラインの前に入れられた縦パスに対し、横浜FCはボランチの松井大輔が反応。これをつつきだし、同じボランチの田代真一が前へ供給する。それをレアンドロ・ドミンゲスが受け、1人を外した後、左サイドの松尾佑介へ。松尾はワントラップで加速をつけて前に出ると、対峙したディフェンスを緩急差で抜き去り、そのクロスをファーサイドの中山克広が押し込んだ。

ヴァンフォーレ甲府戦で決勝ゴールを決めた松尾佑介(横浜FC)「自分たちがゲームをコントロールしていたが、警戒していたセカンドボールのところで失点してしまった。いいゲームをしていた逆を突かれたというか、若い選手のスピードを抑えきれなかった」(甲府・伊藤彰監督)

 先制点をアシストした松尾は突出した存在だった。スピードがあるだけでなく、スピードを”使える”。相手の逆を取っているため、速度が倍加しているし、両足をうまく使え、技術精度も高い。それがゴールに向かったときの迫力になっているのだ。

 その後、横浜FCは同点にされたが、後半の立ち上がり、やはり松尾が左サイドでドリブルし、人を引き付け、スペースを生み出す。左からのクロスに対し、レアンドロがボレーで合わせ、そのこぼれ球を中山がヘディングで押し込んだ。

 横浜FCは再びPKで追いつかれるが、72分、CKのファーからの折り返しをボレーで合わせた松尾が決勝点を決めた。