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イニエスタが人生初のバルサ戦で
示した人間性。「自分は幸運」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 イニエスタは不世出の選手と言えるだろう。Jリーグは、イニエスタという伝説を迎えているのだ。

「試合の前日に家族は到着した。どうにか、試合に間に合ったよ。おかげでみんなが揃って、完璧な1日になった」

 イニエスタは穏やかな表情で語っている。

 結局、試合は0-2でバルサが勝利した。下部組織ラ・マシアの出身者、カルラス・ペレスの2ゴールだった。

「イニエスタのような選手と戦えるのは特別な気持ちだ」

 勝利の殊勲者であるペレスは、後輩としての敬意を忘れなかった。

 しかし、イニエスタは今を生きる。神戸はリーグ戦3連敗、15位と降格圏内で喘ぐ。バルサ時代には考えられない日々だろう。元バルサのDFトーマス・フェルメーレンを加えたチームは巻き返せるか。

 祝祭は終わったが、熱気に似た蒸し暑さはなかなか収まらなかった。

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