2019.07.25

FC東京の小川諒也は今が旬。
強気のドリブルで日本代表へ突き進め

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

今季ここまで、1試合を除いてフル出場を続けている小川諒也(FC東京) 清水エスパルスといえば、得点能力が高いセンターフォワード(CF)のドウグラスの名前がまず浮かぶ。しかし現在の清水において、それと並んで認知されているのはエウシーニョだろう。今季、川崎フロンターレから加わった、過去2年連続でベストイレブンに輝いている右サイドバック(SB)。この攻撃参加をいかに封じ込めるかは、対戦相手が研究しなければならない重要なポイントのひとつになる。

 第20節に清水と対戦したFC東京も例外ではなかった。清水の右からの攻撃を東京の左サイドがどう封じるか。エウシーニョと対峙する左サイドハーフ(SH)は、前節の川崎フロンターレ戦に先発したナ・サンホではなく、川崎戦は右SHで先発した東慶悟。ナ・サンホはベンチ外で、右SHには大森晃太郞が先発した。FC東京は、その大森が前半16分に放った左足のスーパーゴールで先制した。

 前節はホームで川崎に0-3と大敗。2位横浜F・マリノスに勝ち点3差まで接近されたFC東京にとって、このゴールは値千金に値した。

 清水ペースだった試合はこれを機に一転、FC東京側に傾くことになった。よって、マン・オブ・ザ・マッチはこの大森と言っていいだろう。そして敢闘賞は、この日もよく走った永井謙佑になる。一方、選手としての評判を大きく上げたのはFC東京の左SB、小川諒也ではないか。少なくとも、試合前の焦点だったエウシーニョをどう抑えるかという問題の解決に最も貢献したのは彼だった。

 本来、小川の前に立ちはだかるべきは清水の右SH、河井陽介になる。だが、清水のキャプテン格であるこの選手には、小川の攻め上がりを警戒する姿勢が低かった。「重し」は効いていない状態だった。小川はその1列後方で構えるエウシーニョの前までたびたび進出した。0-1で迎えた前半30分も、中央の高萩洋次郎からパスを受けると、小川はドリブルを開始。エウシーニョに1対1を挑んだ。

 なにより突っかかっていくフォームが様になっていた。エウシーニョに対し、精神的に勝った状態にあることが見る側に伝わってくる、強気のドリブルだった。そして縦に外すと、ゴールライン際からマイナス気味に折り返した。そのクロスボールはゴール前を通過。逆サイドで構える右SB室屋成がそれを受け、間髪入れずに折り返すと、ゴールを固める清水のDFは混乱した。エウシーニョがクリアし損ねたところを、ディエゴ・オリヴェイラがシュート。そのこぼれ球を永井が押し込み、試合を決定づける2点目のゴールとした。