浦和レッズ、点差以上の完敗。
川崎との完成度の違いに不安拭えず (3ページ目)

「守備に関してはピンチもありましたけど、チームとしてブロックを作ることはやれていた」（柏木）

「スライドの速さだったり、リスクマネジメント部分はしっかりできていたと思う」（西川）

　リーグ最強の攻撃力を誇る川崎に対し、手ごたえを掴んだ守備は、今年も浦和のストロングポイントとなるはずだ。

　もちろん、杉本や山中ら新戦力がフィットしてくれば、攻撃力アップも実現できるだろう。また、補強によりポジション争いが活性化されることは間違いなく、西川も「今年は代わりに入った選手に注目してもらいたい」と、レギュラーの11人だけでなく、ベンチ要因を含めた総合力に自信を見せている。

「今日も途中から入った柴戸（海）がいいプレーを見せてくれた。彼などが途中から入ることで、スイッチを入れてくれる。若い選手が力をつけてきているし、厳しい練習を耐え抜きながら試合でああいう姿を見せてくれることが、これからのレッズの希望になってくれると思う。誰が出ても安定した戦いができないといけないし、そうなることで勝負強くなっていける」

　西川、柏木、槙野、興梠慎三ら主力の高齢化が進むなか、新陳代謝を促す若手の台頭は今季の浦和の重要なテーマとなる。その流れが生まれつつあることは、ポジティブな傾向と言える。

　ただし、浦和には時間がないのも確かだ。リーグ、そしてACLと、シーズンが始まればいきなり重要な戦いが立て込んでいる。ここでつまずくようだと、監督の早期解任劇が起こった昨季の二の舞を踏むことも考えられるだろう。

　果たして、百戦錬磨の指揮官は、完敗に終わった川崎戦からいかにして巻き返しを図るのか。開幕戦の相手はベガルタ仙台。天皇杯決勝のリベンジに燃える相手との一戦は、浦和の今季を占う重要な戦いとなることは間違いない。