2019.02.17

早くも日本語で檄。福岡のスペイン人
新GKはリーガの昇格請負人

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「行こう! 行こう!」

 J2アビスパ福岡のスペイン人GKジョン・アンデル・セランテス(29歳)は、後方から味方を叱咤し続けていた。入団合流から1カ月程度だが、すでにいくつかの日本語は覚えている。

 スペイン語なら、「Dale、Dale」に近いだろうか。相手ボールに対して間合いを詰め、体を寄せる、あるいは前に向かって、積極的に仕掛け続ける。守備でも、攻撃でも、ひとつの言葉に多くの意味が含まれる。

 セランテスは相応の日本語を求め、そこに行き着いた。

「『行こう』は好きな言葉だね。チームを元気にするのにいい。モチベーションを上げるというか。今日はとくに後半、選手がバテてしまっていたからね。そういう声を出すことはGKとして意識しているよ」

アビスパ福岡に入団したリーガ・エスパニョーラ出身GK、ジョン・アンデル・セランテス 2月16日、プレシーズンマッチのサガン鳥栖戦後、セランテスは穏やかな笑みを浮かべて言っている。試合は彼が交代した後、同胞のフェルナンド・トーレスに失点を浴び、敵地で2-1と敗れた。しかし、手応えはつかんだようだった。

「前半の出来はよかった。(1点を取った他にも)たくさんチャンスを作れたしね。でも、そこでリードを奪えず、後半は疲れが出てしまった。まあ、これはキャンプから続いているハードな練習の影響だから。(開幕まで)残りの1週間、しっかり調整していきたい」

 肯定的な言葉は、少しも強がりには聞こえなかった。

 世界最高峰のリーガ・エスパニョーラ、レガネスから福岡にやってきたスペイン人GKは、はたして昇格請負人となれるだろうか?