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早くも日本語で檄。福岡のスペイン人
新GKはリーガの昇格請負人 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 2016‐17シーズンも、セランテスは1部リーグで目覚ましいセービングを繰り広げていている。序盤戦のチームMVPに等しい活躍だった。実際、リーグの月間賞も受けた。しかし、シーズン途中で右膝前十字靭帯を断裂。1年近く治療に専念することになった。その後、チームが次々にGKを獲得したことで、海を渡った。

「今は、自分がGKであるという自信を取り戻したい、と思っているよ」

 セランテスは落ち着いた声音で言った。

「もともと海外でのプレーを考えていた。そのなかで日本の評判はよかった。人も国も、文化も。それで代理人が来て、日本でのプレーを誘ってくれた。自分は2年前にケガでしばらくプレーできなかった。ケガはもう何も問題ないんだけど、(2018‐19シーズンは)あまり出場機会に恵まれそうになかったから、(2019年1月に)決断をする必要があった」

 彼がその自信を取り戻したら、J1にもその力を凌ぐGKはいないだろう。それだけ、リーガで定位置を掴むのは難しい。世界最高のGKが集っているのだ。

「J2のGKは全員チェックしたよ」

 セランテスは言った。実力者だが、準備に余念がない。

「J1のGKの試合もね。正直、名前はあまり出てこないけど、レベルは高いよ。スペインでもプレーできるレベルか? うーん、GKはチームのプレースタイルにも左右される部分もあるけど。ポルティモネンセに移籍することが決まったGK(権田修一)はディシプリンもあるGKだね」

 バスク人選手には、ひとつのアドバンテージがある。バスク人は、日本人と性格、道徳が似ているところがある。「Serenidad」(平静さ)という言葉に象徴されるように、スペイン人より、むしろ日本人に近い。

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