浦和レッズ、点差以上の完敗。
川崎との完成度の違いに不安拭えず
シュートの数はわずかに1本。スコアは0−1ながら、点差以上の完敗と言える内容だった。
新たなサッカーシーズンの幕開けを告げる富士ゼロックススーパーカップで、浦和レッズは前年のリーグ王者、川崎フロンターレに完成度の違いを見せつけられて敗れている。
杉本健勇の浦和レッズ初陣は前半での交代に終わった 立ち上がりの15分までは互角の戦いを演じていたが、次第に川崎にボールを支配され、防戦一方に。何とかしのいで攻撃に転じようとしても、相手の鋭いプレスを剥がせずに、ボールをつなぐことすらままならない。
「ボールを持たれて、ジャブを打たれている時間が長かった」(槙野智章)という展開のなか、後半立ち上がりにミスも絡んで先制点を奪われてしまう。その後に選手を入れ替えて反撃を狙ったが、ほとんどチャンスを作れないまま、タイムアップの笛を聞いた。
「完成度の違いが出たかなと。守備の時間が長かった。ずっと守備をしていても勝てないので、もう少し自分たちの時間を作らないといけない」と槙野が唇をかめば、ミスが目立った柏木陽介も「今日は自分が悪かった。川崎がすごくよかったわけではないなかで、自分が下手だなと思えるくらい何もできなかった」と、不甲斐なかった自身に向けてダメ出しを繰り返した。
今季の浦和は、昨季の主力がほぼ残留した一方で、セレッソ大阪から杉本健勇、横浜F・マリノスから山中亮輔と、代表クラスのタレントを補強。FCポルトからエヴェルトンという新たなブラジル人MFも迎え入れた。
かつて鹿島アントラーズの黄金期を築いたオズワルド・オリヴェイラ監督を迎えて2シーズン目。2006年以来のリーグ優勝と、3度目のアジア制覇を目指し、新たなシーズンをスタートさせている。
川崎との試合で浮かび上がったのは、昨季からの課題である攻撃の迫力不足だった。シュート1本という数値はもとより、どのように攻めるかという攻撃の形をまるで示せなかった。スタメン起用された杉本の高さを生かすのでもなく、後半途中からピッチに立った山中の突破力を促す場面も少なかった。可能性を感じたのは、前半にいくつかあったセットプレーの場面だけだっただろう。
1 / 3