浦和レッズ、練習試合わずか1回。
「オズの魔法使い」の狙いとは? (3ページ目)
練習試合では、右ストッパーの森脇良太の大きなサイドチェンジを、横浜F・マリノスから加入した左ウイングバックの山中亮輔がダイレクトで折り返し、インサイドハーフの山田直輝が飛び込んでゴールネットを揺らすスーパーゴールが見られた。
この時のピッチには、オーストラリア代表のFWアンドリュー・ナバウト、キュラソー代表のMFマルティノス、元日本代表のMF阿部勇樹、柏レイソルから加入したDF鈴木大輔の姿もあったが、実はこれは2本目。つまり、サブ組なのだ。
さらに、この日は前述したように、武藤と青木、さらにファブリシオが別メニューでもあった。この選手層の厚さは、今シーズン70試合を目指すうえで大きな強みだろう。
「(レギュラー組の左ウイングバックの)宇賀神は右利きですから、山中を左、宇賀神を右で起用するオプションもあります」と指揮官が明かせば、柏木や長澤とポジションを争う山田は、胸の内をこう明かした。
「強いチームはサブ組が強い。サブ組がアピールすれば、レギュラー組の選手たちに危機感が芽生え、それがチーム力アップにつながる。
そもそも、70試合を11人で戦えるわけがない。最低でも20人くらいが必要で、20人の誰が出ても戦力が変わらないチームになっていかないといけない。もちろん、レギュラーを目指してやりますけど、全員が日々努力することが大事だと思います」
2月16日にはJ1王者の川崎フロンターレとのフジゼロックス・スーパーカップが控えている。ACLとリーグ戦の開幕に向けて試したいことは何か――。そう訊ねると、指揮官は鋭い眼光でこう語った。
「これはスーパーカップです。J1の王者と天皇杯の王者がプライドをかけてタイトルを争う本番です。テストではありません」
戦力アップを図った浦和と同様、川崎も前線に元ブラジル代表ストライカーのレアンドロ・ダミアンを補強するなど、着実に上積みがなされている。果たして浦和のハイプレスは、ボール保持に関して右に出るものがいない川崎からボールを奪えるか。2強によるゼロックス・スーパーカップが今シーズンを占う一戦になるのは、間違いない。
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