ガンバ大阪は若手が自信満々。18歳の中村敬斗も「目に見える結果を」 (2ページ目)
「高校生でプロの世界に入って戦う日々だけど、臆することはない?」との質問には、「これだけ試合に出してもらっているのだから、ビビって自分の武器を出さないなんて、ありえない。ミスしても、気にせず次。そう思うようにしています」と話した。
"優等生で好青年"のようにも見えるが、芯は強い。奢ったところもないけれど、すでに普通とは違うキャリアを歩み出した自分の力を信じている。そんな印象を受けた。
今回はそれ以来の再会を楽しみにしていた。沖縄の太陽が傾き始めた頃、身支度をして出てきた中村に話しかけ、この1年で彼自身が感じている成長について尋ねた。
「宮本(恒靖)監督から個人的にも動きを教わっているので、ボールの受け方とか、オフザボールの動きとか、そのあたりはしっかり学べています。ガンバはレベルが高いので、練習から100パーセントでやっていくだけです」
続けて、「昨年の3月に話した時、年齢の近い(キリアン・)ムバッペに追いつきたいと言っていましたが、その気持ちは変わらない?」と尋ねると、表情を崩して「ちょっと次元が違う選手になっちゃいましたよね」と笑った。
「(ムバッペは)エグいですよね。バロンドール級ですし。まあでも、タイプも近いといえば近いので、目標にしています。最近だとドルトムントの7番(ジェイドン・サンチョ)にも注目しています。彼は同い年で同じポジション。あそこまでやっているのはすごいですよね。刺激になります。今年は自分も目に見える結果を多く残したいです」
18歳になった中村はそう言って、ファンサービスへ向かっていった。
今のガンバには彼以外にも、活きのいい若者が多い。そんな若手の台頭は頼もしいはず。そう思い、チームリーダーのひとりである倉田秋の足を止めた。一般的に、現代の若者は「消極的」と言われることもあるが、ガンバの若手はひと味違うと言う。
「このチームの若手はそんなことない。自信満々なのはいいけど、結果がついてきてないというか、それに見合ってないところもあるくらい。だから時には、足元を見つめさせる必要もあるんかな。今のこのチームには強く言う人がいないので、自分がそんな役回りもするべきなんかなと思っています」
30歳の背番号10は、大阪のイントネーションをつけてそう言い、ニヤっと笑った。
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