2019.02.10

エース離脱の清水エスパルス。
リーグ2位の得点力を支えるのは誰だ?

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by (c)S-PULSE

 穏やかな日差しが降り注ぎ、ピッチはより鮮やかな緑色を描き出す。気温は20度近くにまで上昇していただろう。コートを脱ぎ捨ててもなお、うっすらと汗がにじんでくるほどだ。

 寒い冬が終わり、サッカーのシーズンが間もなくやってくる。鹿児島の地は、そんな高揚感を感じさせてくれる天候だった。

昨季は10ゴールを記録して注目を集めた23歳の金子翔太 清水エスパルスとジュビロ磐田――。同じ静岡県に本拠を置くチーム同士のトレーニングマッチが、ここ鹿児島では行なわれていた。ともにまだ調整段階とはいえ、両者の間には強いライバル心が横たわる。もちろん、本番さながらの熱い戦いが繰り広げられたわけではなかったが、時折見られる局面のバトルの激しさには、その想いが交錯した。

 シーズン開幕をおよそ2週間後に控えた段階での練習試合で、より手ごたえを得られたのは清水のほうだったかもしれない。試合は45分×3本で行なわれたが、主力と見られる選手が出場したのは、最初の2本目まで。その90分の戦いは1−1の引き分けに終わったが、内容的には清水が押し込む時間が多かったように思われる。

 清水で2季目を迎えたヤン・ヨンソン監督は、にこやかな表情で試合を振り返った。

「いいゲームができた。相手にはあまりチャンスを与えず、逆に私たちは多くのチャンスを作れていた。失点した時間帯にパスミスが続いていたのは気に入らなかったが、攻撃ではサイドチェンジを狙う意識を表現してくれていた。全体的にはいい内容の試合ができたと思う」

 振り返れば、昨季の清水はヤン・ヨンソン新監督のもと、手探り状態のなかでシーズンを迎えていた。そのため序盤戦は出遅れたものの、夏場以降に巻き返し、前年を上回る8位でフィニッシュ。特筆すべきは得点力で、川崎フロンターレに次ぐリーグ2位の56得点を記録した。

 もっとも、そこには途中加入のドウグラスの存在が大きかった。このブラジル人ストライカーは出場15試合で11ゴールと荒稼ぎ。2015年にサンフレッチェ広島を優勝に導いた実績十分の助っ人は、得点力だけでなく北川航也の覚醒も導き出し、チームの攻撃力を一気に高めるキーパーソンとなった。