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J内定2人に加え、青森山田の強さを
象徴するレフティー・カルテット

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 左足から多彩なパスを放つ背番号7に向かって、チームメイトから声が飛ぶ。

「ヒデ!」

 かつて日本サッカーをけん引した男と同じ愛称で呼ばれるその選手は、青森山田の2年生プレーメイカー、MF武田英寿(ひでとし)。彼の名を見て、ピンとこないサッカーファンはいないだろう。

多彩なパスで攻撃にアクセントをつける武田英寿多彩なパスで攻撃にアクセントをつける武田英寿「父親がサッカー好きで、中田選手と同じ名前をつけてくれた」

 武田が言う「中田選手」とは、1990年代後半から2000年代にかけて日本代表の中心選手として活躍し、現在に続く海外移籍の先駆者的存在でもあった中田英寿のことだ。武田にとって中田は「YouTubeで見たことがある」程度だが、父は自らがファンだった偉大な選手の名を息子に授けたのである。「小さい頃から、『ヒデ』と呼ばれている」という武田が続ける。

「サッカーをするためにつけてもらったような名前だし、こういう名前をつけてもらったからには、サッカーで有名になりたい」

 あどけなさの残る笑顔で話す武田も、ひとたびピッチに立てば、頼もしいばかりの存在感を見せつける。優勝候補筆頭に推される強豪校にあっても、彼のテクニックとアイデアは際立っている。

 それにしても今大会もまた、青森山田が強い。

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