鹿島のスカウト担当部長は、
「安部裕葵に柴崎岳と似たものを感じた」
遺伝子~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(34)
椎本邦一 前編
終了間際に内田篤人が決めたゴールで3-2と勝利した第1戦から3週間。鹿島アントラーズは水原三星とACL準決勝第2戦を戦うために韓国・水原へ来た。3週間の間、内田が離脱。その後、ルヴァンカップ準決勝でマリノスに敗れ、リーグ戦では川崎フロンターレ、浦和レッズと対戦したが、4戦勝利から遠ざかっている。
10月23日、試合前日会見。ソ・ジョンウォン監督が復帰後、連勝している水原はその雰囲気の良さを強調していた。「鹿島はシーズン序盤こそ苦労していたが、今はいい状態にある」とソ・ジョンウォン監督の言葉通りの状態に、鹿島はあるのだろうか?
10月24日、昌子源がキャプテンマークをまいた。遠藤康も負傷のため韓国へは来ていなかった。
水原ワールドカップスタジアムは満員にはなっていなかったが、水原のゴール裏からは熱っぽい圧力が伝わってくる。鹿島へ来る前に、水原のライバルチームに所属していたGKのクォン・スンテがボールを持つたびに大きなブーイングがピッチに響いた。
水原は、前線から激しいプレッシングで、その闘志を表現した。
「球際勝負になるのはわかっていた。そこで勝てればチャンスに繋がる」
そう話す鈴木優磨はひるむことなく、前を向き突破を試みて、チャンスを作った。
25分、鈴木が倒されて得たFKをセルジーニョが蹴り、山本脩斗が先制点をマークした。
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