激変する鳥栖。真価が問われる
「トーレス・シフト」の片鱗が見えた (3ページ目)
しかし、トーレスは間違いなく敵味方の心を動かしている。関与したプレーは多くないものの、プロサッカー選手にサッカーをする喜びを与えていた。
「トーレスは、とにかくうまいっすね。サッカーやってて、面白いです!」
そう無邪気に語ったのは、鳥栖のFW小野裕二だ。
「まずは、裏に出すっていう感じですね。トーレスはいつも(裏を)狙っている感じなんで。その感覚が(自分と)合うんですよ。(お互いに)無理だなと思うときは(裏へ)走らないで、近くで受けてくれるし。(敵と)並走している感じなら、必ずパスを出すようにしています。(トーレスなら敵に)負けることはないんで」
予想していたとおり、鳥栖では"トーレス・シフト"が着実に組まれつつある。デビュー2戦目も不発で(0-0と)勝てずに終わったものの、トーレスが戦術、といっても大げさではないほどだ。
「今は、トーレスをプレーさせながらコンディションを上げさせていきたい」
鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督は説明している。
「トーレスは経験のある選手で、日頃の練習も懸命にする。モチベーションは長所で、笑顔でポジティブにサッカーに取り組める。ただ、2カ月のオフがあって、試合勘の部分ですり合わせが必要。徐々にコンディションを上げ、(彼を落とし込む最善の)戦術を考えていきたい」
トーレス・シフトの完成はこれからなのだろう。
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