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ついに「裏の顔」を見せたジェフ千葉。
勝ち点確保へ、なりふり構わず (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 ところが、期待された新たなシーズンが始まってみると、ハイプレス・ハイラインが思ったように機能しない。理由は単純。DF増嶋竜也曰く、「ハイラインの裏に蹴られて、後ろ向き(自陣ゴール方向を向いて)で守備をすることが多くなった」からだ。増嶋が「(後ろ向きの苦しい体勢で)クリアしても、そのボールを相手に拾われて二次攻撃、三次攻撃を受けてしまう」と話すように、対戦する各チームの千葉対策は確実に進んでいた。

 プレッシングの強度を高めるのと引き換えに、DFラインの背後に広大なスペースを生み出す戦術は、常にリスクと背中合わせ。プレッシングを避けられ、ボールをDFラインの背後に蹴られてしまえば無力となる。

 もちろん、背後に蹴られたボールを拾い、再び自陣からつないで、敵陣まで入っていけるほどのボールポゼッションができるなら問題はない。だが、千葉にそこまでの力はない以上、プレッシング封じが進むのは当然だった。

 とりわけ深刻だったのは、アウェーでの脆(もろ)さである。千葉は第10節のアビスパ福岡戦までの間、アウェーゲームは今季5戦全敗。しかも5試合の総失点が16と、大量失点を重ねていた。

 はたして舵が切られたのは、第11節。アウェーでのヴァンフォーレ甲府戦だった。

 この試合、千葉は前からのプレスを捨て、自陣でリトリートする(守備組織を整える)戦術を選択。これが功を奏し、1-1で引き分け、今季アウェーゲームでの初勝ち点を手にした。

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