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サガン鳥栖、泥沼6連敗。
「走るチーム」が走らなかったら、こうなる (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

「今は戦力が揃っていない状態ですが、ケガ人ももうすぐ戻ってくる。全員が揃ったときにしっかりと巻き返すために、今は冷静さを失わずに耐えながらやっていきたい」

 今は我慢の時期だと、指揮官は語る。イバルボをはじめ、ケガ人が戻ってくれば巻き返せるはずだというわけだ。もちろん、苦境を打開するには個の力が求められる。だが、果たしてそれだけですべてが好転するだろうか。

「イバルボは相手をふたりくらい引きつけてくれるので、その能力には助けられますが、それよりも重要なのは、ひとりひとりが犠牲心を持ってやれるかどうか。僕らは本来、走れるチーム。そこをもっと自信を持ってやらないといけない」

 吉田が言うように、昨季までの鳥栖は「ハードワークが売り」のチームだったはずだ。実際にトラッキングデータを見ると、もっとも走ったチームだったことがわかる。

 しかし、今季の平均走行距離はリーグで13位(第10節終了時のデータ)にとどまっている。ただ単に走ればいいというわけではないが、走りが特長であったチームがそのストロングポイントを失ってしまえば、結果を出せないのも必然である。

 6連敗の現実は、選手たちに重くのしかかっている。

「もっと割り切っていいと思います。引き分けでも連敗を止めるのが大事。今日はドローでもよかったと思う。今のチーム状況を理解して、何かを変えないといけない。割り切らないと、ずっとこの状況が続くと思う。どうやって連敗を抜けられるかにフォーカスしないと、同じことを繰り返すだけだと思う」

 インサイドハーフを務めるMF原川力は悲壮感を漂わせていた。何かを変えなければ――。まだシーズンの3分の1を終えたに過ぎないが、鳥栖は早くも土俵際に立たされている。

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