2018.04.21

レオシルバは知っていた。「鹿島?
ジーコがプレーしたクラブだろ」

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko  井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

遺伝子 ~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(9) 
レオシルバ 前編

名良橋晃の証言から読む>>

 4月14日、Jリーグ第8節・鹿島アントラーズ対名古屋グランパス。負傷で離脱していた内田篤人と昌子源が先発に名を連ね、勝利を飾った鹿島。リーグ戦2連敗、相次ぐ負傷者で苦しんでいたチームに光が差した。

「篤人の復帰は大きい。チームに自信と安心をもたらしてくれた」と小笠原満男。「プレーでチームを引っ張っていきたい」と今季移籍加入した内田だったが、リーグ開幕戦以降、筋肉系のトラブルで離脱せざるを得なかった。

 この試合では、試合開始早々に攻撃参加や前線へのパスを配球している。「前半、試合の入り方が悪く、苦しんでいたから、前への意識をチームにもたらしたかった」と内田は話している。身体を張った泥臭い守備でも闘争心を示した。2枚目のイエローカードを危惧し、自ら申し出て途中交代したあともベンチで、途中出場するチームメイトにアドバイスした。内田は自身の立場を自覚して、その任務を果たし、移籍後初めての公式戦勝利を味わった。

 しかし、4月17日のACLグループリーグ第6節、1位突破には引き分け以上の結果が必要だった水原三星(韓国)との上位対決は0-1で敗れ、グループ2位となってしまう。ケガ人は8人を数え、出場機会の少ない選手を先発起用したものの、連係面でのミスや個人的なミスが目立ち、試合後、昌子が若いチームメイトへ苦言を呈した。いつも、選手間での厳しい要求が必要と語る昌子らしいコメントだった。

「仲間を非難するつもりはないけれど、『レギュラーを奪ってやる』というようにミスを恐れないプレーがなかった」

 サブ組という立場を自覚し、やるべきことをやり抜かなければならない。訪れたチャンスを掴むためには、奮起一番のプレーが求められる。もちろん、チャンスを得た選手たちのモチベーションは高かったはず。だが、それをピッチで表現できなかった。重要な一戦だからこそ、まずは自身が担うプレッシャーに勝たなければ、仕事はできない。ホームでの敗戦という結果は、起用された選手たちに競争の厳しさを改めて突きつけることになった。

 Jリーグで唯一、ACL決勝トーナメント進出を果たした鹿島。しかし、過去に決勝トーナメント1回戦を突破したことはない。昨年はACL敗退後に監督が交代している。過密日程で勝利を飾り、乗り切るためにもサブ組の躍進は必要不可欠だ。