37歳・高木和道。JFLの苦労も、
難病と闘う妻の大変さを思えば... (4ページ目)
もちろん、JFLというステージを考えれば、Jクラブと同じ環境を求めるつもりはないけど、でも、数こそ少ないとはいえ、応援してくれる人がいて、企業があって、クラブが『滋賀を盛り上げるためにJ3リーグを目指している』と宣言している以上、その思いに応える本気の努力をすることはこのクラブに在籍する選手、スタッフ、クラブスタッフを含めた全員の義務でもあると思う。そのために、僕自身もできる限りのことをやりたいし、それが僕を拾ってくれたこのクラブにできる"恩返し"のひとつだと思っています。
でも、本音を言えばものすごく大変です(笑)。あれもこれも、変えなきゃいけないことだらけですしね。でもここに来た以上、逃げたくないし、どんな大変さも......嫁が味わっている大変さに比べたらどうってことないと思うと、僕もがんばれます。それに、これまでの経験からも、人生って本当にわからないもので、想像どおりにいくことはほぼ、ないですからね。今回の嫁の病気だって想像もしていなかった出来事ですけど、人間は誰しも今、起きてしまった事実を、変えることはできない。
だけど、未来は違いますから。自分の考え方、過ごし方でいくらでも変化させられる。だから、僕は未来を変えるために、いつかまた、家族みんなでタイに戻るために、まずは今を精一杯、やるだけだと思っています」
一切の迷いも感じない表情で言葉を紡ぎ、前を向く。「未来を変えるために、今を精一杯がんばる」――その連続で切り拓いてきた人生だからこそ、高木は今、MIOびわこ滋賀での新たな挑戦に、すべての熱を注いでいる。
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