シュートに顔を背けるな! J2岡山が「殴り続けるサッカー」で首位

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara -JL/Getty Images

<殴り続けろ>

 J2ファジアーノ岡山の長澤徹監督は、選手たちをそう叱咤激励する。長いボールを前線に送る。それを止められても、すかさずチェックに行き、再度、奪い返す守備をし、同時に攻撃を起動させる。何度も、何度も、諦めずに攻撃と守備を同時にやり続け、相手をノックアウトする。

 岡山はタフなサッカーでJ2の首位に立っている。

ファジアーノ岡山を率いて4シーズン目となる長澤徹監督ファジアーノ岡山を率いて4シーズン目となる長澤徹監督 3月25日、岡山、シティライトスタジアム。J2第6節、岡山はヴァンフォーレ甲府を迎え撃っている。第5節終了時点で、無敗のまま首位に立っている岡山。昨シーズンまでJ1だった甲府との対戦は、今後の試金石にもなるはずだった。

「連戦による疲労の影響もあったかもしれませんが、体は重かったなと。ただ、思い通りいかないことは想定していたので、"ジャッジを失わない"というところは準備したものができたと思います。我慢強く戦えました」(岡山・長澤監督)

 序盤はアウェーの甲府がイニシアチブを握っている。サイドを切り崩す攻撃の練度は、吉田達磨監督が作り上げたもので、J2では屈指だろう。しかし、エースFWリンス不在のせいか、決定力に欠けた。

 岡山は耐えるなか、右サイドに流れることで起点を作っていたFWイ・ヨンジェが20分、相手ディフェンダーのファウルを巧妙に誘う。ゴール右からのFKだった。MF上田康太の左足キックの質は高く、ライナーでファーポストに落としたボールを、DF後藤圭太がヘディングで叩き、先制に成功した。

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