J1を蹴ってタイに。そしてJFLに。高木和道「人生ってわからない」
昨年はタイでプレーしていた高木和道ベテランJリーガーの決断
~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか
第2回:高木和道(MIOびわこ滋賀)/前編
(第1回:播戸竜二(FC琉球)編>)
3月24日、甲賀市陸上競技場(滋賀県)で行なわれたJFL第3節、MIOびわこ滋賀vsヴェルスパ大分。開幕から2試合を戦って1分1敗の成績で今節を迎えていたMIOびわこ滋賀はこの日、今シーズン初の白星をつかみ取った。センターバックの一角を担い、フル出場で"完封"に貢献したDF高木和道(37歳)は、試合後、仲間と順にハイタッチを交わし、勝利を称えあった。
「やっと勝てました。これまで戦ってきたどのステージも、どの試合も簡単な試合なんかなかったけど、このチームが抱えるいろんな問題を考えても1勝の重みを感じています。このスタジアムは芝もいいし......ってか、タイに比べたら格段にいいので、この年齢の僕には助かります(笑)」
まだ、どことなく見慣れない緑のユニフォームに身を包み、白い歯を見せる。スタンドに集まった約300人の観客のもとに足を運ぶと、サポーターに頭を下げた。
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「人生ってわからないものです」
これまでも、移籍のたびに彼から聞かされてきた言葉だ。
例えば、大分トリニータ時代。最後の在籍となった2014年シーズンを、ほぼフルで戦ったにもかかわらず、契約満了となったときも。2015年に在籍したFC岐阜を離れる決断をし、次の行き先を探している最中に、J1のジュビロ磐田からオファーを受けたときも。同じ言葉を口にして豪快に笑った。
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