福田正博が訂正。「今年の名古屋は台風の目ではなく優勝候補でした」

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

【福田正博 フォーメーション進化論】

 2018年のJリーグが開幕して約1カ月。"J1昇格組"3チームの中でとりわけいいスタートを切ったのが名古屋グランパスだ。

 中断前の3月18日の第4節では川崎フロンターレに0-1で惜敗したものの、風間八宏監督が目指している攻撃的なサッカーが機能し、2勝1分1敗のリーグ5位タイにつけている。特に、レヴィー・クルピ新監督のもとで若い選手が起用され、両サイドバックが高いポジションを取るガンバ大阪と名古屋の開幕戦は、ここまでに見た今シーズンの試合の中で最も面白いゲームだった。

FWのジョーはじめ、新戦力の活躍で好調の名古屋FWのジョーはじめ、新戦力の活躍で好調の名古屋 名古屋は、昨年のブラジルリーグ得点王で元ブラジル代表FWのジョーに注目が集まっているが、同じく新加入したオーストラリア代表GKのミチェル・ランゲラック、ブラジル人CBのウィリアン・ホーシャも大きな戦力だ。昨季の途中からチームに加わったブラジル人FWガブリエル・シャビエルを含め、適材適所でいい外国人選手を補強したことが、現在の好調につながっている。

 風間監督が志向するサッカーは、GKを含めたDFラインからパスをつないで攻撃を構築していくため、CBとボランチが機能しないと攻撃が成り立たない。ジョーとシャビエルの2トップがどれほど強力でも、そこにボールが供給されなければ"宝の持ち腐れ"となってしまう。

 その点で、田口泰士(現ジュビロ磐田)が抜けたボランチはウィークポイントになると思われたが、新潟から獲得した小林裕紀がうまくハマって攻守のバランスが取れるようになった。そしてCBには、開幕3週間前にホーシャを獲得。そのパートナーになる選手を選ぶため、風間監督は開幕前にさまざまな組み合わせを試したようだが、まさか17歳の菅原由勢(ゆきなり)を抜擢するとは思わなかった。

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