二冠のセレッソ。急に勝負強くなった陰に「ユン監督の秘蔵っ子」あり (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki  山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 尹晶煥監督も「水沼選手は僕のことを知り尽くしているので、気をつける必要がある」と報道陣を笑わせた後、こんな言葉で水沼を絶賛する。

「2017年の1年間が順調だったのは、水沼選手がいたからと言っても過言ではない。彼は僕の考えを選手にうまく伝えてくれ、僕ができない仕事をしてくれた。このチームで何かを成し遂げたいという強い気持ちがあったのだろう」

 水沼自身、「まずは自分が(実際のプレーで)体現することがわかりやすい」と、率先して指揮官が求めるハードワークに努めた。もちろん、はじめからすべてがうまくいったわけではない。水沼曰く、「リーグ戦でうまくいかないときは、先制されるとズルズル失点を重ねていた」。

 しかし、だからこそ、指揮官も一目置くMFはチームの成長を実感するように、「今日(天皇杯決勝)は最後のところで体を張って守ることができたし、粘り強く戦えた。それはサッカーの基本だが、なかなかできないこと。それができたのは成長した部分なのかなと思う」と語ると、うれしそうな笑顔で続けた。

「こんなにうまくいくシーズンになるとは思わなかったが、チームの初タイトルから二冠獲得に関われてうれしい」

 とはいえ、今季大きなブレイクスルーを遂げたセレッソの真価が問われるのは、来季以降のことだ。

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