名波監督も「すごいやつだ」と驚嘆。ジュビロを変えた中村俊輔の存在 (2ページ目)
あとは、数字に表れない部分で言えば、アタッキングサードに侵入される前に、未然に防ぐ、アプローチする、という点。また、相手にボールを下げさせたり、(相手の)ボランチやDFにボールをつなげさせたり、といった点も評価できます。それらは、僕がいくら口で言っても、やり通せることではないので、選手たちのがんばりが大きい。それと、コーチ陣に感謝です。
そうそう、(第32節の)柏レイソル戦ではスリッピーなピッチ状態で櫻内(渚)がオウンゴールしたんですけど、彼は翌日の練習後から、ゴール前に水をまいて(チームメイトに)アーリークロスを上げさせて、クリアの練習をずっとしていたんですよ。
続く(第33節の)サガン鳥栖戦でイエローカードをもらって、最終節の鹿島アントラーズ戦では(累積警告で)出場停止だったんですけど、その試合の前の週にも続けて同じ練習を繰り返していた。『おまえ、試合(鹿島戦)には出られないんだぞ』と言ったら、『来年につながるんで』って言うんだよね。
彼はそれくらい、あのオウンゴールに責任を感じていて、他の選手もみんな、同じような気持ちを持ってシーズンを通してプレーしてきてくれた。失点が減ったのは、そういう部分も大きいと思います」
――一方、攻撃については、どんな手応えを感じていますか。
「(J1第10節から第13節まで)4試合連続で得点が奪えなかった時期は苦しかったですけど、それでも攻撃陣への信頼は『不変だ』ということは、チーム内外で話をしていました。選手たちにも『ゴールは水ものだから』と。あのクリスティアーノ・ロナウドですら、得点が取れない時期というのはありますからね。
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