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名波監督も「すごいやつだ」と驚嘆。
ジュビロを変えた中村俊輔の存在 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Takashi Aoyama - JL/Getty Images for DAZN

 まず、俊輔が試合当日に高熱を出して、急遽試合に出場できなくなった。それと、今でも自分は誤審だと思っているんですが、相手のハンドは見逃されてPKをもらえなかった。そして、(ルーカス・)ポドルスキの存在。来日して間もなくて、騒がれているなかで、彼に先制点を奪われてしまった。言ってしまえば、負の要素しかない試合だったわけですよ。

 ところが、俊輔の代わりに起用した(上田)康太が中盤でボールをカットして、川又(堅碁)が同点ゴールを決めると、松浦(拓弥)がFKを直接ぶち込んで逆転勝利を飾った。(ホームの)スタジアムを包んだサポーターの熱気も、(最終節の)鹿島戦と同じくらいすごかった。あの試合はもう、本当に感動しましたね」

――そこは、アクシデントにも動じないメンタリティーを選手たちが培ってきたということでしょうか。

「川又、(高橋)祥平、あとムサエフ。もちろん俊輔もだけど、昨季から加入した選手たちは皆、J1という舞台に慣れていて、代表にも選ばれるような選手だったので、(それぞれが安定して力を発揮できるため)チームとしての浮き沈みがだいぶなくなった。

(J1に復帰したばかりの)一昨季の開幕戦では浦和レッズと対戦したけど、相手のメンバーを見ると、J1で200試合、300試合出場している選手がごろごろいた。そのときのうちの選手といえば、太田(吉彰)を除いて、ほとんどが(出場数は)ふた桁止まり。もう若造vs重鎮みたいなものですよ。

 それが昨季は、経験のある選手が加わって、(一昨季からの)経験を積んだ選手も増えた。先に得点を奪われても、ピンチになっても、しぶとく戦えるようになった。まあ、今季もこれを継続していかなければ、何の意味もないんですけどね」

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