屈辱のJ3転落で「芯」が通った
大分トリニータ。超速J1昇格なるか (4ページ目)
今季開幕当初から、一貫して芯の通ったサッカーを続ける大分は、J3からJ2へ再昇格して1年目ながら、ここまで常に上位から大きく引き離されることなく、昇格争いに食らいついてきた。
そして、シーズン最終盤の現在、ジワジワと順位を上げ、プレーオフ進出圏内にあとわずかというところまで迫っている。
鈴木惇は「自分たちはJ3から上がってきたばかりなのに、こういう時期までプレーオフを狙えるのはラッキーなこと」と謙虚に語り、こう続ける。
「だからといって、今までやってきたサッカーを変えてでも、何が何でも勝とうというのではなく、自分たちのサッカーを貫いて成長していくなかで、プレーオフに出られたらいい。次の試合では今日の試合よりも(プレーの)精度を上げ、その次の試合ではさらに上げ、その結果としてプレーオフとか、昇格とかがついてくればいいと思う」
かつて大分は、2008年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を制するなど、J1の舞台でまぶしいほどのスポットライトを浴びながら、その後、J2降格の憂き目に遭い、ついにはJ3にまで転落した。J1経験を持つクラブのJ3降格は、大分が初めてにして唯一である。
だが、屈辱的な思いを味わった大分は、だからこそ目先の結果にばかりこだわることなく、まずは強固な土台を築こうとしている。そうでなければ、同じことの繰り返し。そのことを痛いほど理解しているからだ。
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