J1昇格なるか。V・ファーレン長崎の高木琢也監督は顔に自信がある

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO SPORT

 昨季J2で15位に終わったV・ファーレン長崎が、今季大躍進を遂げている。

 開幕当初は第7節から3連敗を喫するなど、決して好スタートを切れたわけではなかったが、その後は徐々に白星が先行。第16節で5位に浮上して以降は、順位を大きく落とすことなく、ほぼプレーオフ進出圏内となる6位以上をキープしてきた。そして第33節には、ついにJ1自動昇格となる2位まで順位を上げた。

 長崎は現在、プレーオフ進出はすでに当確と言ってよく、自動昇格すらも手の届く位置につけている。

 長崎の強さの理由をひと言で表せば、「ハードワーク」ということになるだろう。第30節から続く今季最長の5連勝で敵地に乗り込んだ、9月30日の第35節モンテディオ山形戦でも、長崎はよく走り、よく戦い、相手を圧倒した。MF幸野志有人(こうの・しゅうと)が語る。

「そこ(ハードワーク)はベースのところ。調子の良し悪しは関係なく、絶対にできることなので、ハードワークができていないとしたら、それは気持ちの部分が原因というだけだから。アベレージ高くやらなければいけないし、そこは毎試合しっかりやっている」

 長崎はこの試合、結果的に何度かあった決定機を生かせず、13位の山形とスコアレスドローに終わった。

 だが、内容的に言えば、パスをつないで攻撃を組み立てたい山形に対し、長崎は高い位置からプレスを仕掛け、中盤でボールを奪うと、速いテンポで縦にボールを入れ、山形ゴールに迫った。攻守において運動量豊富なサッカーは、なぜ長崎が強いのか、の理由を示すに十分な内容だったと言っていい。

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