FC東京の新システムを操る、
アンカー髙萩洋次郎は地味だがすごい! (5ページ目)
そう語ったうえで、「あと......」と言葉を続ける。そこに本来、攻撃的な選手である髙萩の矜持が見て取れた。
「(中島)翔哉らFWと、中盤のヨネとケントの2枚に"ダイレクト"で縦パスを入れるプレーを使い分けたいですよね。ボールを奪った後に、縦に1本入れられると攻撃のスイッチが入るので、それができればもっともっとチャンスも作れるのかなって」
実際、大宮戦でも前半17分に、相手のパスミスを中盤で拾った髙萩が前線の中島へダイレクトで縦パスを狙ったシーンがあった。その攻撃は結果的にフィニッシュまで辿り着かなかったが、それが通れば確実に決定機を迎えていたはずだ。
戦術眼のある髙萩には、どこでリスクを冒していいのかが判断できる。かつ、決定的なパスを通すことのできる足もとの技術も備わっている。そのプレーが増えたとき、光が見えつつあるFC東京の新システムは、さらなるバージョンアップを果たすだろう。
前田がゴールを決め、大久保も復活の狼煙(のろし)を挙げた。前線に役者が戻ってきたFC東京は、大宮戦で掴んだ手応えを確かなものとすることができるか――。
■Jリーグ 記事一覧>>
5 / 5