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「福岡、強いね」の声。
J2で2強を占めつつ、視線はJ1復帰後へ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 勝ったとはいえ、危ういシーンも少なからずあった。90分間、完璧に試合を支配できたわけではない。

 それでも、アビスパ福岡井原正巳監督は満足げだった。

「立ち上がりからいい形でゲームに入れて、チャンスも多く作れた。前半はゴールを奪えなかったが、後半にいい形でゴールが生まれ、最後まで全員が戦う姿勢を持ち、集中力を保って戦い、1-0で逃げ切ることができた」

選手たちの奮闘を称える、アビスパ福岡の井原正巳監督。選手たちの奮闘を称える、アビスパ福岡の井原正巳監督。 J2第26節の町田ゼルビア戦。現在、J1自動昇格圏内である2位につける福岡は、14位の町田をアウェーゲームながら1-0で下した。

 試合序盤から主導権を握ったのは、福岡である。大きなサイドチェンジを有効に使い、サイド攻撃から何度も決定的なチャンスを作り出した。シュート数を見ても、町田の7本に対して福岡は13本。得点こそ後半(57分)まで待たなければならなかったが、どちらが有効な攻撃を、より多く繰り出していたかは明らかだった。

 気持ちよさそうにオーバーラップから何度も攻撃に加わった左サイドバックのDF亀川諒史が語る。

「試合前の分析で、町田は4-4-2の『4-4』(MFとDFのライン)のところが、ピッチの半分に全員が収まるくらいボールサイドに絞ってくることはわかっていた。なので、すごく空いている逆サイドを徹底的に突いていこう、と。特に前半はほとんど相手に何もさせず、やりたいことができた」

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